消費者トラブルの現状
まだ私たちが自給自足の生活を送っていた頃は生産者と消費者が同じわけですから、現在のような消費者トラブルはなかったように思います。
経済の発達により生産者と消費者が分離し、自分が生産できないものまで手に入れられるという便利さを得た半面、取引市場における様々なトラブルも発生してきました。
大量生産、大量消費の世の中になり、私たちが購入する商品やサービスの情報もより複雑化してそのすべての情報が私たちに届くことが難しくなってきています。
国民生活センターに寄せられた相談の内容を見てみると、かつては商品の安全性に関するものや価格、表示に関するものが多かったのですが、現在はインターネットや携帯電話などによる情報サービスの架空請求や不当な請求に関する相談が多くを占め、消費者トラブルも様変わりしより複雑になってきているのがわかります。
5年ほど前から国民生活センターにはこれらの架空請求などの相談が急激に増え、それまでの訪問販売やマルチ商法に関する相談が窓口に入りづらかったとも言えるでしょう。
相談件数の多い品目としては上記の電話情報サービスの他にサラ金、教養教材、賃貸マンションなどが挙げられています。
被害額が高額になりやすい手口としては電話による勧誘販売、次いで家庭訪問による販売、無料商法が挙げられます。
この他マルチ商法、エステや英会話教室、内職商法、モニター商法、キャッチセールス、点検商法など、私たち消費者の心理状態を巧みに利用して契約に至らせるという様々な手口があります。
もちろん、私たちの生活に必要な契約のすべてを疑ってかかれというわけではありません。
しかしプロが用意した騙しの手口に関する知識をつけておけば、面倒なトラブルに巻き込まれることは未然に防げるでしょう。
相談の多い販売方法と特徴
架空請求、悪徳商法、振り込め詐欺など、商品売買や契約、金銭に関する様々なトラブルが毎日あちこちで発生しています。
全国各地にある消費者センターや国民生活センターに寄せられるこれらの相談件数も年々増加傾向にあるようです。
ここでは、国民生活センターの統計から見えてくる販売方法や手口についていくつか紹介したいと思います。
●電話勧誘販売
こちらが予想していなかったタイミングの不意打ち電話であったり交渉の過程が書面に残らないため、こちらの気持ちを無視して強引に勧誘されたり商品やサービスに関する明らかな嘘の説明がされたりしています。
クーリングオフもできますが、指定商品に限られます。
●家庭訪問販売
強引な勧誘や夜間、長時間の勧誘などの問題が多く発生しています。
ふとんや浄水器のほか、教材販売や家の清掃サービスなども含まれています。
●無料商法
無料体験や無料サービスなどという文句で人を引きつけ、最終的には高額な商品を売りつけます。
よく聞かれるのがエステなどのサービスですが、もっとも多いのは電話情報サービスとなっています。
●サイドビジネス商法
副業を始めませんか、月収100万円になります、などと魅力的な言葉を並べて何らかの契約を結ばせます。
仕事が回ってくるのは始めの数回だけ、あるいはまったく仕事は与えられず、パソコンや教材の契約をさせるのが目的のものがあります。
●マルチ取り引き
健康食品や化粧品といった品目が多く、商品を契約したら次は自分が買い手を探し、その買い手が次の売り手となり組織が拡大していくシステムです。
買い手が増えていくとマージンが自分に入るという、いわゆるねずみ講式の取り引きです。
全国から寄せられた消費者トラブルの相談は、国民生活センターでまとめて統計が出されています。
その統計から、相談件数の多いトラブルがどんな手口で行なわれているのかが見えてきます。
消費者センターや国民生活センターがこれまでに受けてきた相談の中で上位のものは前に紹介しました。
ここでは、相談件数としては上位ではないものの私たちの身近にいつ迫り来るかわからない様々な販売手口について紹介したいと思います。
●次々販売
顧客の情報がいろいろな販売業者の間を流れてしまい、複数の事業者から勧誘を受け契約をさせられる販売方法です。
一度被害に遭った消費者が次から次へと同じようなトラブルに巻き込まれるというパターンです。
●電子商取引
インターネット上で行なわれるショッピングなどの取引形態です。
相談として多いのは、使った覚えのない情報サービスに対する料金請求などの問題です。
●点検商法
点検に来たと言いながら、家が危険な状態であるとか早く修理が必要などと半ば脅しとも言える言葉を並べて、新しい商品を売りつける手口です。
●SF商法
日用品を無料で配るなどして人を集め、その閉ざされた会場の中で雰囲気を盛り上げた後、高額な商品を売りつける販売方法です。
場の雰囲気で契約してしまったものの、冷静に考えれば不必要な買い物であったということがほとんどです。
●かたり商法
役場や大企業の関係者を装って話をし、商品を販売する方法です。
身分詐称です。
●当選商法
あなたが選ばれました、当選おめでとう、などとその人だけが特別であるような言葉で消費者に近づき、商品を販売します。
被害件数としてはそれほど多くはないですが、消費者に信じ込ませるような巧みな言葉遣いで近づいてくるものもあるので要注意です。